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【第3話】会社が倒産?ME Groupが金融危機を乗り越える
- ME Group
2024.12.23
首都圏を中心に住まいのトータルサポートを展開するME Groupは、社員数600名・社数20社・取扱高638億円を誇る不動産売買をメインとしたグループ企業です。今回もME Groupの経営者である、佐々木会長のインタビュー記事をお届けします。本日は再出発を果たしたME Groupを襲った“新たな試練”についてお聞きしました。記事の後半では、“経営者に向いている人の特徴”についても伺っています。経営者を目指している方には、必見の内容が盛りだくさんです。ぜひ最後までお楽しみください!
目次
新たな船出を果たしたME Groupを襲った試練とは?
「社内分裂騒動」を乗り越えたME Groupを、
新たな試練が襲ったのはいつ頃のことでしょうか?
2店舗目を出してすぐでした。世界不況が起こって、1社目で2社目をカバーするそんな計画だったんです。ところが1社目の売り上げが大きく落ちて、2店舗目を出したばっかりなのに閉めるか否か…。閉めずにもう少しやってみようという結論になりましたが、これがまた状況を悪化させたんですよね。
それは大変な状況ですね。
どのように立て直したのでしょうか?
銀行に借りたお金をちょっと待ってくれないかと、お願いしに行ったんです。そしたら「ふざけんじゃねえ」と、まさか銀行で罵声を浴びせられるとは思わなかったですね。ショックでした…アレを提出しろ、コレを提出しろと散々言われて。もちろん、再建計画をしっかり作って提出しましたよ。
銀行の反応はいかがでしたか?
どこも簡単には応じてくれず、何度も何度も銀行に足を運びました。それを繰り返していくうちに、ひとつまた1つと首を(タテ)に振ってくれて。でも、最後に残った1つがどうしても首を振ってくれなくて…威圧されました。このまま…このままで済むと思っているのかと。
銀行との交渉は難航したようですね。結果はどうだったのでしょうか?
最後の交渉の日、必死にお願いしました。でも、首をタテに振ってはくれませんでした。「1週間後に連絡する」って。1週間後、もし良い返事をもらえなかったら、会社の財産が丸ごと差し押さえられる。恐怖でしたね。
倒産寸前?難航する会社経営
ここでME Groupの代表取締役社長を務める小柳社長にもお話を伺いました。
当時の状況を教えてください。
佐々木社長(現・会長)は、全部自分で背負ってたんですよね。資金繰りがどうで、こうなったら…というのを、結構ギリギリまで我々に言わないでやってくれていたんです。気がついたら自分の自宅を売却しようとしていたりとか、気づいたら自分の所得を下げていたり。「まずは自分が…」と、全て背負ってやってました。なので私たちは、とにかく数字を上げるしかない、それで会社を支えていくしかない。あの時は1番そこだったんですよね。
自宅の売却まで考えていたとは、非常に深刻な状況ですね。
どのようにして破産を免れたのでしょうか?
それでも数字が上がらなかったので、「申し訳ないけれど、私の給与も含め、従業員の給与を下げていかなきゃいけない」という相談を初めてそこでされたんですよ。
そこで事態の深刻さが、よくわかりました。社員にもそれを説明して、みんなの理解を得て、とにかく“耐える”ということをみんなでやろうと。とにかくそこを頑張るしかなかったんですよね。
情熱が導く、再建への道のり
ここは思い出の場所ですか?
家に閉じこもってたら、うちの妻が「そんなんじゃ病気になっちゃうから」と、ここに連れ出されたんだよね。でも気持ちは全然違うところにあって、パッと見たらうちの小さい子がここ(滑り台)にいるわけですよ。ニコッっと笑って。
この子に辛い思いをさせるのかと思うと、涙が出てきましたね。ここから一気に滑り降りて…それを見た時「ああ…うちもこうなるのか」って。築くのは1歩ずつ1歩ずつ…大変だったけど、壊れるのは一瞬です。
奥様やお子様とのエピソード、かなり印象的ですね。
最後の砦となっていた、銀行からの返事はどうだったのでしょうか?
1週間後、携帯が鳴って覚悟して電話に出ました。「お世話になりました」と言おうとしたとき、「再建計画を承諾する」って、会社をこのまま続けられると言われました。「ありがとう」と言ったのか、それすら記憶がない…。その後、(銀行の)後任の人から聞いた話では、本部に再建計画を認めると言ってくれたのは(威圧してきた)彼だったそうです。うちの会社の財務状況じゃ再建は無理だろうという中で、「彼(佐々木会長)が家を売り出す潔さ、最後は熱意に負けた」と。
佐々木会長の情熱が、運命を切り開いたんですね。
やっぱり情熱を失っちゃいけない、情熱が人を動かすと改めて実感しました。だから今、誰よりも情熱を持っている、そこだけは絶対負けないです。これからも。今だから言えますが、ME Groupの再出発はここ。この滑り台です。
世界金融危機を通して学ぶ、経営者の仕事
小柳社長に世界金融危機を振り返っていただきました。勝因はどこにあったのでしょうか?
佐々木会長が、こういうことをやらなきゃいけないという、経費削減の計画を作成していて。最後の最後は、従業員の給与まで手を付けなければいけないっていう、3・4段階に分かれたものを作ったんですね。
1番下に行く手前には業績も回復しはじめて、2008年頃にはもう業績もだんだん落ち着いてきたという感じがありますね。耐え忍んで最低限経費を削減する、広告費を削減する…その中で業績を上げるための工夫が、だんだん実を結んでいったんだと思います。
愛がある人は経営者に向いている?
最後にお2人で、当時を振り返っていただきました。
小柳:当時は2店舗の資金がどうなっているか、全くわからなかったですね。
佐々木:いやぁ…あの頃に戻りたくないね…嫌だねえ。
小柳:辛かったですよね。
佐々木:だからこそ会社に愛もあるし、この愛を部下に伝えることができるじゃん。
やっぱりそうやって愛を持ってるトップがいるからこそ、彼ら(部下)もその気持ちわかってくれるんじゃないかな。
いかがでしたでしょうか。
ME Groupを襲った試練や、倒産寸前の会社を立て直した方法をご紹介しました。本インタビュー内容はME GroupのYouTubeでも公開しておりますので、ぜひチェックしてみてください。また「佐々木会長・密着インタビュー記事」の第4話を、近日中に公開する予定です。第4話では全国展開に向けた戦略を大公開⁉どん底を経験したME Groupの大逆転劇についてお聞きしています。乞うご期待ください。
本日の格言
「2人から600人企業に育てた超実力経営者」佐々木会長の格言集より、会長が厳選した格言の一つをご紹介します。「本日の格言」では、佐々木会長が大切にしている心構えや価値観を垣間見ることができます。
三流は、挨拶するも、軽くあしらわれる。 二流は、顔見知りがやたらと多く群れをなす。 一流は、知らない人から挨拶され、単独で行動する。 |